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自分の勤務する某私立大学の様子を素材に、アラフォー世代教員の立場から、最近の大学改革の動向や大学教育の在り方について考察するブログ。不定期更新、こちらからの一方的な情報発信のみ。


by gogo0618

きちんと雇用条件を守れ

大学の経営者は、きちんと教員の雇用条件を守れ。それは専任・非常勤を問わず。

ある意味、このブログで私がくりかえし訴えていることは、そのことにつきると思います。
たとえば、ある大学では「最低週3コマ、平均週5コマ」が専任教員の授業負担の基準であるならば、その大学で週9コマとか10コマを負担している教員が何人もいて、ようやくカリキュラムがまわることが常態化していれば、それはそういう条件で教員を働かせているほうがおかしいでしょう。
あるいは、何らかの分野での仕事に限定して採用したはずの教員に、追加で他の業務をさせるのであれば、それ相応の手当を支給するなり、他の学内業務を軽減するなどの配慮をするべきでしょう。
あれもこれも、学内でのいろんな仕事をある特定のできる教員にやらせて、人件費をけちって経営を維持するのは、短期的には大学として得策かもしれませんが、長期的に見たら「よく仕事をする人をすりつぶす速度をはやめているだけ」でしかありません。
非常勤の人にしたって同じで、カリキュラムをひんぱんに変えるようなことをしていれば、非常勤のかけもちで食いつないでいる人は、生活が脅かされてしまいます。
やっぱり、きちんとしたスジをとおして、「そのときそのときの便利づかい」ではない形で、非常勤の人たちの雇用条件を守るための工夫を、各大学の経営陣はするべきでしょう。
なんか、こういう「教員を大事にしない経営」がこのごろ、あちこちの大学の話として見聞きするので、正直、「このままでいいのか?」と思います。
# by gogo0618 | 2007-05-16 11:29 | 私の意見
大学教員の場合、これは国公立(今は独立行政法人になってるところが多いのか。でも、あえてこれで通します)、私立に関係なく、学生に対するゼミ指導や授業などに加え、入試や教務といった各種の学内業務があり、これに加えて研究の仕事があります。
このうちで、拘束時間が比較的ハッキリしているのは、大学に出勤して実際にゼミ指導を行ったり、授業をしている時間と、各種学内業務のうちの会議の時間でしょう。
しかし、例えば家にもちかえって学生のレポートを読んだり、あるいは家で教材の作成をしている時間、学内委員会で提出するための資料の準備をしている時間は、どうなのでしょうか?
これ、実質的には、家のなかに仕事を持ち込んで大学の業務をしているわけで、「労働時間」とみなしてもらわなければ困りますよね。
さらに、自分の研究として、文系の研究者の場合、例えば集めてきた文献を読み込んだり、その内容を整理してノートをつくったりしている時間が家のなかであるわけで、これだって「労働時間」といえなくもないでしょう。
そう考えると、たとえ大学には「週3日~4日」程度の出勤しかしていなくても、実際上はそれ以上の仕事を家でこなしている場合があるわけですよね。
このあたりのところを、各大学の経営陣はどう考えているんでしょうか?
もしかしたらもうすでにどこかでやってるのかもしれませんが、タイムカードで教員の勤務時間を管理している大学があるのだとしたら、「家にもちかえって仕事をしている時間」もカウントして、「ちゃんと超過勤務時間分の賃金払えよ」といいたいですね。
# by gogo0618 | 2007-04-28 20:29 | 私の意見
その昔、たしか缶詰ペットフードのTVコマーシャルだと思うが、「ラベルが変わっておいしくなりました」というせりふがあったかと思う。
イヌやネコが食べるペットフードのCMだから、我々が別に食うわけじゃない。だから、缶詰のラベルがはりかえられたからといって、中身がおいしいかどうかはわからない。
でも、「ラベルが変わっておいしくなりました」と連呼されたら、何か「変わった、新しくなった」というような印象を受ける。
それにしても、「おいしくなった」って、どうやって確かめるんだろう?

昨今の大学改革の中身も、もしかしたら、この「ラベルが変わっておいしくなりました」というような話に近いものがあるかもしれない。
例えば、従来の法学部・政治学部と、最近でてきた「政策学部」などは、どこがちがうのだろうか?
周りから見ていると、既存の法学部や政治学部のなかに「公共政策学科」とか「公共政策コース」などのようなものがあれば、あまり「政策学部」とのちがいはわからない。
ましてや、「政策学部」と、このところあちこちにできている「政策科学部」「政策創造学部」「総合政策学部」「現代政策学部」のちがいはなんなのだろう?
少なくとも、この領域の研究者ではない私にしてみると、他大学の話ではあるが、そのコンセプトのちがいがよくわからない。
となると、各大学ホームページなどを見て、個々の教員の専攻分野などを見て、「これって、法学部や政治学部の『いま風』の名称変更では?」「ラベルが変わっておいしくなりました、というだけ?」という風に思ってしまうのである。
# by gogo0618 | 2007-04-07 11:01 | 私の意見