自分の勤務する某私立大学の様子を素材に、アラフォー世代教員の立場から、最近の大学改革の動向や大学教育の在り方について考察するブログ。不定期更新、こちらからの一方的な情報発信のみ。


by gogo0618
私はこのごろ思うのですが、ほんとうに日本の大学の教育・研究を充実させ、活性化させるためには、「この十数年進めてきた大学改革自体を一度、ストップさせること」が必要なのではないでしょうか。

例えば、少子化という状況や、教育・研究に関する国家的な補助金の配分などを通じた「競争的な環境」が、各大学における改革の動きを刺激している面は確かにあると思います。
ですが、その環境のなかで「競争」を「生き残っていく」のは大手の私立大学や旧国公立大学系のところくらいでしょう。
しかし、よく考えてみたらわかると思うのですが、教育・研究の分野によっては、「1年や2年という単位で成果のでないような分野」だってあるはずです。
例えば古典文学や思想、古代史や中世史などの分野は、もともとが相当昔の文献の解読を手がかりにしながら進む分野ですから、「1年や2年」という単位で「研究・教育の成果」を評価し、それによって「競争」的に研究資金を配分するということ自体になじむ分野なのかどうか。
あるいは、今「導入教育」といった試みを進めている大学があちこちにありますが、あれって、やればやるほど、かつて「大学1・2回生の教養教育」を担っていた「一般教養科目」とか「教養部」が果たしてきた役割、これを見直さないといけなくなってくるんじゃないでしょうか。
そんなことを考えていると、「この十数年、取り組まれてきた大学改革って、ほんとうに大学の教育や研究を活性化するものになっているのか? むしろ、分野によってはマイナスの効果しか生んでいないのではないか」という疑問すらわいてきます。

おまけに、このまま改革が進んでいくと、例えばある中小私立大学などは、昨日書いたような事務系スタッフの「不安定雇用」をもたらしたり、あるいは、教員の「多忙化」傾向をもたらすだけに終わってしまい、結局「みんなヘトヘトになって、何も残らない」というだけになりそうな気がします。実際、これはうちの大学のことではないですが、この何年も大学の学内業務に追われて自分の研究や授業準備に手が回らなくなっている同世代の教員もいれば、あまりに酷使されすぎて心身をすり減らし、長期休養を余儀なくされている教員もいます。
あるいは、「競争」に「生き残った」という大手の私立大学や旧国公立大学系のところでも、その大学間での「競争」に教職員が疲弊して、研究や教育面で余力がなくなるということも出てくるのではないでしょうか。

そうやって考えていくと、このままでは短期的には「競争」的な大学施策の導入が各大学の経営を活性化するかもしれませんが、長期的に見たら大学で働くあらゆる職種・雇用形態の人々(教員・事務系スタッフ、専任・契約職員・非常勤等々に関係なく)を疲弊させるだけで、結果的にはかつてよりj教育や研究の質・量ともに低下するということになりかねません。
それでも、今のような改革をすすめていくことが、ほんとうに日本の大学における教育・研究の充実という観点から見て妥当なのかどうなのか。私はやっぱり、疑問を感じてしまいます。
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# by gogo0618 | 2006-04-18 13:08 | 私の意見
たぶんいまはどこの大学にもいるのでしょうが、事務系の仕事をしているスタッフのなかに「契約職員」という形で雇用されている方がいらっしゃると思います。
要するに、この契約職員というのは、1年とか3年とか雇用期間を決めて、教務や入試広報、奨学金事務、国際交流など、ある職場で事務スタッフとして勤務するという方ですが。
もちろん、うちの大学の場合、契約職員としての採用後の雇用状態と大学側の意志、本人の希望などによっては、この雇用期間の延長もあるだろうし、事務職員としての正規雇用への道も開かれてもいます。
あるいは、場合によれば、うちの大学もそうですけれども、「人材派遣」の会社から窓口対応のスタッフを送り込んでもらってるという大学もあるかもしれません。

ただ、私が思うに、正直「こういう契約職員とか派遣職員という雇用を多様すること。これは私立大学における人件費減らしという観点から見たら、短期的には合理的かもしれない。だけど、長期的に考えたら、こういった雇用形態による職員配置は、大学経営や教育・研究を事務方から支える貴重な人材を育てようとする気を経営者側がないことを証明しているともいえるのではないか?」と思ってしまいます。
本気で大学を長期的に存続させていくことを考えたら、教員同様、事務系スタッフだって「将来、大学の核になる人材」を現場で鍛えながら育てていくことが必要不可欠なはず。特に中小私立大学の場合は、そういった「経営側の核」になる事務スタッフがいるかどうかで、大学経営が傾くかどうかまで左右されるはずです。

ところが、ひどい話なんですが、私の勤務する大学には、「課長」だけが正規職員で、あとはみんなこの「契約職員」もしくは「派遣職員」というような部門が、何ヶ所かこの春からできてしまいました。これって、「人件費削減」という短期的な経営努力という意味ではいいのかもしれませんが、長期的に見れば「こんなことをやってれば、大学なんて存続しない」という風にしか思えません。本気で大学を長期的に維持する気、あるんでしょうかね?
しかも、ある部門では、この4~5年、その部門の中核を担ってきた契約職員の方を正規採用にまわさず、逆に「契約期間満了」を理由に雇用を打ち切ってしまう、なんていうことをやっています。いくら規定どおり、あるいは契約どおりに対応するのがスジとはいえ、一生懸命仕事をしてきた本人にとっても、大学にとっても、こういうことが「大きな損失になる」とは経営陣が思わないのだとしたら、相当にイカレているとしか思えませんね。
まともにものを考えている、少なくとも何か将来展望を持って経営をしている私立大学であれば、たとえ契約職員や派遣職員を導入したとしても、基幹部分を担う職員には正規雇用の人をもってきて、きちんと人材を育てていこうと思うでしょう。また、契約職員や派遣職員のなかで「この人はぜひ・・・」と思う人は、自分の大学で正規雇用をするのではないでしょうか。

正直、こういう事務スタッフの体制整備のあり方を見て、私は教員の立場ではありますが、「この大学、本気で将来的に存続しようという気があるのか?」という思いとともに、「事務系スタッフはほんとうにかわいそうだ」という思いがしてなりません。
どうにかして、大学の事務系スタッフが、たとえ契約や派遣という雇用形態を当面とらざるをえないのであったとしても、「誇り」を持って働いていけるような、そんな職場環境を作りたいと思ってしまいます。
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# by gogo0618 | 2006-04-17 19:12 | 私の意見

そろそろ活動再開。

しばらくある事情でこのブログにコメントを書き綴るのを休んでいましたが、これから徐々に、ぼちぼちですが、コメントを書いていきたいと思います。
・・・・というか、毎度のごとく、コメントを書く時間もないほどの年度末の忙しさを経験していたので、書けなかったというのが実情なのですが。
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# by gogo0618 | 2006-04-09 06:46 | 雑感