自分の勤務する某私立大学の様子を素材に、アラフォー世代教員の立場から、最近の大学改革の動向や大学教育の在り方について考察するブログ。不定期更新、こちらからの一方的な情報発信のみ。


by gogo0618

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私の勤務校にも、教職員の労働組合がある。また、個人的には、今の私たちの勤務環境の改善だとか、教職員の雇用をめぐっておかしなことを経営者にさせないためには、大学教職員の労働組合運動の活性化に、おおいに期待しているところがある。
しかし、自分の勤務校の労働組合に対しては、このところ、「おいおい、このままでいいのか?」と思う気持ちしかわいてこない。もちろん、今のままの組合であれば入りたくはないし、むしろなかまにあちこちから集まってもらって、学内にもっと「ラディカル」な「第二組合」をつくろうか、と思ってしまう。
その理由は、次のとおりである。

(1)今のうちの組合の出す文書を読む限り、大学内に多くの非正規雇用職員、たとえば「嘱託」という形で有期雇用されている人や、非常勤講師、パート、アルバイトなど、専任教職員並みの仕事をしていながら、不安定雇用の状況にある人たちに対して、あまり考慮がなされていないように思うこと。

(2)同じく、今のうちの組合の出す文書は、年齢の高い層の賃金上昇抑制といった、経営陣の給与体系改革に対する不満をぶちまけるようなものばかり。だが、(1)で述べた非正規雇用職員の立場から見れば、「それって自分たちの既得権守るための主張でしょ?」という感じにしか見えない。

(3)さらに、組合のメンバーのなかに、私と同世代や少し年長の世代、つまり30~40代の教職員は、専任であったとしても入っていない。学内で授業に研究に、大学運営の仕事にと、事務職員も含め、専任教職員で一番、仕事の負担をかぶり、しかも給料もそれほど多くない層の意見を、この組合は全くと言っていいほど、吸収できていない。その分、余計に「自分たちの既得権守るための主張でしょ?」に組合の主張が見えてしまう。

(4)たとえ給与体系が今のままであったとしても、働く環境の改善、たとえば事務系職種の残業を減らすとか、休日出勤の回数を減らすとか、あるいは、休暇を取りやすくしたり、自分たちの仕事に対する意見が経営にきちんと反映するとか、そういう形で組合が取組むべきことが多々あるはず。
 教職員の労働条件についても、たとえば、3年たったらすぐ見直すような目先をごまかすためのような改革案づくりのために、会議をひんぱんに開いたり、書類をやたらと書かされたりするような、そんなことをできるだけ減らすことに取組んで、「同じ額の給料であっても、より働きやすい環境をつくる」という方向で取組むことは多々あるはず。
 しかし、この組合は、そんなことに全く取組もうという気持ちはない。少なくとも書かれたものを見る限り、この組合の主張は、給与体系の改革に対する不満をぶちまけるのと、そのことで経営陣を突っ込むのと、そのくらいしかない。

(5)考えてみれば、この組合、私らよりも年長者で、授業負担や学内業務もさほどなく、給料も私らよりはるかに高い専任教職員が中心。
 また、給与面で活動しても勝ち取れたものはなくても、たとえば職場環境面でより働きやすい環境をつくることに成功して、着々と「組合は頼りになる」という意識を他の教職員(非正規雇用者含む)に定着させる道もあるはずだが、それもしない。
 この組合の主だったメンバーが、賃金上昇の抑制とか、「肩たたき」の危機とか、自分たちがいわゆる「リストラ」されそうな危険性を感じていることはよくわかるし、そのことに対してとりくまなければいけないことは重々承知している。
 というか、一教職員としてみても、「そういう話の進め方はまずいだろう」と思うような経営陣のあり方もあるので、組合の言っていることが全部、ダメというわけではない。
 しかし、組合の活動が自分たちだけの問題だけに取組んでいたり、自分たちの既得権を守るためだけの取組みのように、他の専任教職員、非正規雇用の職員たちに見えてしまうような、そんな組合活動のしかたは、はっきりいって「マズイ」。誰もそのうち、支持しなくなってしまうのではないだろうか。

こんなこともあって、今のうちの大学の組合には、正直なところ、「入ろうという気持ちすら起きない」というのが現状である。
しかし、だからといって、大学教職員の労働条件の改善に向けて、組合活動の重要性を否定しているわけではない。そのことは、私の今書いた文章を見てもらえればわかると思う。

要するに、「同じ教職員として働く仲間をどの範囲まで考えているのか」ということと、また、「働く条件の改善のなかに、給与問題だけでなく、職場環境の改善まで含めて考えられるのか」という、「大学教職員の組合運動でいま、何を大事にするのか?」という次元で、とても「今ある組合にはついていけない」と思っているだけのことである。
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by gogo0618 | 2008-03-23 07:39 | 私の意見