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自分の勤務する某私立大学の様子を素材に、アラフォー世代教員の立場から、最近の大学改革の動向や大学教育の在り方について考察するブログ。不定期更新、こちらからの一方的な情報発信のみ。


by gogo0618

こんな教員採用のあり方、おかしい!

大学教員の採用にあたって、このごろ、「公募」という方法をとる大学が増えています。
これ、簡単に言えば、各大学がそれぞれに担当予定科目や採用時のポスト(教授、助教授など)、任期つきの有無などの採用条件や、書類選考・面接などの採用手続きを、各大学のホームページや研究者採用情報を掲載するホームページなどで公表したり、あるいは他の大学などに文書を流して、広く教員になりたい人を集めるものです。
もちろん、これ以外にも、例えば特定分野にどうしても強い人がほしいとか、何らかの採用側の大学の事情で、公募によらない形式で新しい教員を採用するケースがあります。
しかし、「教員採用人事の公平性を保つ」という観点から、「公募」という形をとることは、どこの大学でも徐々に増えています。
ちなみに私も、「公募」で履歴書や研究業績書、過去に書いた本や論文などを今の大学に出し、書類選考と面接を通って、採用されています。

さて、「公募」においてやはり大事なのは、その公募時に示した条件をどれだけ採用する側の大学が守るかどうか、ということ。
例えば、「教授または助教授」という扱いで採用をするといっての公募なのに、「専任講師」での採用になるという話があれば、それは「約束に反する」といってもおかしくないでしょう。
あるいは、任期のない(つまり定年まで雇用される)という条件で公募したのに、採用時に「任期つき」にするという話が出てくれば、これも「約束に反する」というしかありません。
まぁ、ふつう、新規採用者にこういう約束違反みたいなことをやる大学って、あまり考えられないのですが。

しかし、私の身近に、こういう約束違反を平気でやってのけた某私立大学があります。
つまり、「教授または助教授」で「任期のない」採用という形で公募をかけておきながら、採用予定者が決まった段階で、あとから大学の要職にある人間がでてきて、この3月のギリギリの段階になって、「任期つきの専任講師で採用を」というような話をした私立大学がある、ということです。
しかも、年度末ぎりぎりになっての採用選考で、いくつかの大学の非常勤講師のかけもちで食っていたような人を、その非常勤の仕事を断らせた上で、こういう対応をしたわけです。

もちろん、学生募集で経営が苦しいとか、大学側にはそれなりの事情があるのでしょう。
しかし、だとしたら採用面接時などに「場合によればこういう契約になりうることもある」という話をするべきでしょうし、あるいは、最初から公募の段階で「大学の事情によっては採用形態の変更もありうる」と明記しておくべきでしょう。

いずれにせよ、採用予定者に対して、こういう大学の扱いは失礼だし、理不尽です。
また、その採用予定者の方が、いくつかの大学などで非常勤講師をしていて、その話をことわって当該の私立大学の採用選考に応募している以上、その人の生活保障をきちんとこの大学は考えるべきです。
そして、その採用予定者の方が非常勤で来てくれるという前提で、年度末ぎりぎりまで、他の大学はカリキュラム編成などを考えていたわけですから、実はこの私立大学、他の大学にも多大な迷惑をかけています。そのことも忘れないでほしいです。

いったい、どういう人事計画をもっているのか。
いったい、どういう大学経営の方針をもっているのか。
その方の話を聞くたび、私は「こんな教員採用のあり方、おかしい!」といわざるをえません。
by gogo0618 | 2007-03-17 09:55 | 私の意見